城下町の防御施設である上城戸は、館の南約600mの谷幅がもっとも狭まった場所に築かれており、土塁と濠によって構成されています。土塁は、土を盛って作った施設であり、長さ105m、幅20m、高さ5mを測ります。一乗谷川に面した西端には、巨石を組んだ石垣が作られており、この部分が出入り口にあたる城戸口であったと考えられます。また、土塁の外側には幅12m、深さ3mを測る素掘りの濠が作られていました。この濠を掘削する際の廃土を土塁構築に利用していたことが、発掘調査の結果から判明しています。濠内からは、漆器、曲物、下駄、櫛、独楽などの木製品が多く出土しました。