西山光照寺跡は下城戸から600mほど離れた位置にあります。寺域については確定できませんが、残された土塁や結界石、地籍図などから推定すると、かなり広範囲な寺域を持っていたものと思われます。発掘調査では、礎石建物のほか、掘立柱建物や地下式倉庫、墓地などを確認することができました。地下式倉庫内からは焼土とともに多量の陶磁器が出土しましたが、これらの陶磁器は高熱を受けた痕跡を持っていたことから、西山光照寺は火災によって廃絶し、その火事場整理のゴミを地下式倉庫内に埋めたものと思われます。西山光照寺のシンボル的存在である、大形石像物群の背後には、発掘調査の結果、巨石を利用した石垣が存在することが判明し、これらの石仏群が当初の位置を大きく動いていないことがわかりました。また、石仏群の前面において火葬骨を納めたピットを検出しています。