昭和20年(1945)の福井空襲と、昭和23年(1948)の福井地震をくぐりぬけた福井市は、
福井城下の歴史的文化遺産のほとんどを失うこととなります。しかし、
その主な素材のひとつである石等によって今に残されている養浩館庭園をはじめ、
豊かな歴史文化を知ることのできる場所はいくつか存在します。
越前松平家伝来の重宝や資料を所蔵し、松平家資料展示室で随時展示しています。常設展示では、福井城本丸の模型や九十九橋の実物模型などを展示するなど、福井の歴史をわかりやすく紹介しています。「へんしん越前屋」では、江戸時代の衣服や道具を体験できます。
[公式HP]
http://www.history.museum.city.fukui.fukui.jp/
福井城外堀にあり、養浩館庭園から西に徒歩約3分の舎人門。発掘調査で、門の礎石や門脇の石垣、土居や外堀、武家屋敷跡や池、石組水路、また砂利敷道路などがみつかり、絵図等を参考に、越前赤瓦の屋根をもつ舎人門や土居が復元されました。
なお、越前赤瓦は、鉄分を多く含む釉薬を塗ることで防水性と耐寒性を高めて凍結に強く、越前で多く用いられています。江戸時代後期から明治時代初めにかけては、北前船で北の日本海沿岸から北海道まで運ばれました。
[位置図] JR福井駅から養浩館庭園へのルート図はこちら
福井城は越前松平家17代の舞台となった名城です。徳川家康の次男・結城秀康が慶長6年(1601)から6年の歳月をかけて築きました。68万石の大藩にふさわしく、五重の堀に囲まれ、当時は、四層五階で高さ37mの天守閣がそびえていました。現在でも、本丸石垣と内堀が残されています。また、藩主が本丸と、三之丸の御座所との往復に用いた「御廊下橋」が復原されています。ほかに、天守閣跡などを見ることができます。
[位置図]JR福井駅から養浩館庭園へのルート図はこちら
柴田勝家が築いた北庄城の天守があったとされる場所です。勝家とお市の方を祭る柴田神社や資料館がある歴史公園となっています。北庄城は天正3年(1575)に築城がはじまり、9層の天守閣をもつ当時最大級の城だったとされています。天正11年(1583)に、羽柴秀吉によって落城しました。
[福井市役所HP案内ページ]
http://www.city.fukui.lg.jp/kankou/kankou/sisetu/kitanosyou.html
明治時代初期に福井藩の教師として活躍した米国人ウィリアム・エリオット・グリフィス(1843-1928年)の邸宅だった洋館を再現し、グリフィス博士と日下部太郎(くさかべたろう)について紹介しています。グリフィス博士はラトガース大学で英語を教えていた際、留学していた福井藩士子弟の日下部に出会っています。そして、その熱心な姿を通して日本人の節度や勤勉さに触れ、志半ばで亡くなった日下部に報いるべく福井を訪れ、日下部の母校・明道館で近代科学を教えることになったのです。
[公式HP]
http://www.fukui-rekimachi.jp/griffis/
笏谷石の階段が145段、165メートル続きます。江戸時代までは愛宕大権現社への参道として知られていました。写真は、4月と10月に行われるライトアップの様子です。
[愛宕坂灯の回廊]
http://www.city.fukui.lg.jp/kankou/event/event/p015387.html
福井市の茶道の歴史を紹介しています。常設展示では、福井藩主松平家の茶道や、一乗谷朝倉氏遺跡から出土した茶道具を紹介しています。茶道に関する美術品の特別展などを開催しています。
[公式HP]
http://www.fukui-rekimachi.jp/atagozaka/
幕末の歌人で国学者の橘曙覧を紹介する文学館です。江戸時代には異色の万葉長の生活歌を詠み、明治時代になり正岡子規に絶賛されました。「独楽吟」の一首「たのしみは 朝おきいでて 昨日まで 無(なか)りし花の 咲ける見る時」はクリントン元大統領のスピーチに引用されました。
[公式HP]
http://www.fukui-rekimachi.jp/tachibana/
江戸時代の福井県内の古民家など6棟が移築・復原されています。昔の家具や生活道具も当時のままに展示されています。
[福井市役所HP案内ページ]
http://www.city.fukui.lg.jp/dept/d620/minkaen/
戦国大名朝倉氏の城下町跡で、特別史跡に指定されています。四つの庭園が残されており、室町末期の庭園様式を良く伝えて学術的・芸術的に貴重であるとして、特別名勝に指定されています。湯殿跡庭園は遺跡内で最古の庭園で、その石組は必見です。岡本太郎が当地を訪れた際、感動して長時間鑑賞していたそうです。
ほかに、復元町並や、多数の出土品が保管・展示されている県立一乗谷朝倉氏遺跡博物館があります。
[公式HP ※県立一乗谷朝倉氏遺跡博物館]
http://asakura-museum.pref.fukui.lg.jp/
5代藩主昌親と、その母高照院の菩提寺です。本堂は福井城本丸御殿の「御小座敷、書院は「大奥御座ノ間を拝領移築したもので、福井城関連の現存建築で唯一となっています。本堂の建築年代は天保元年(1830)、移築が万延元年(1860)で、書院もほぼ同年代のものと考えられています。
※事前連絡が必要です。(電話:0776-35-1868)
[公式HP]
http://www.zuigenji.com/home/home.htm
4代藩主光通によって、万治元年(1658)に創建された臨済宗妙心寺派の寺院です。歴代藩主の墓所「千畳敷」があります。
[公式HP]
http://www.daianzenji.jp/